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新しい研究:食事からの海洋性オメガ3の摂取は、高齢2型糖尿病患者の視力喪失リスクを大きく低減することが示された

Rob Winwood

8月 7, 2017

糖尿病性網膜症は、過剰なグルコースが目の後ろにある網膜の血管に構造的変化を引き起こすときに生じる。これは高齢の1型糖尿病および2型糖尿病患者の視力喪失の最も一般的な原因であり、成人労働人口における視力障害と失明の主要原因である。(1)この初期段階の状態では、網膜血流の低下と網膜内層ニューロンの機能不全に関連した網膜動脈の狭窄がある。これ以降の段階では、網膜外層の機能変化が、初期のわずかな視力低下を引き起こす。状態が進行すると、網膜血管の基底膜肥厚、毛細血管の変性(これは血流減少につながる)、微細なバルーン様構造(動脈瘤)が毛細血管壁から突出し、機能不全および網膜のニューロングリア細胞の変性を進行させる。(2,3)この段階では、完全な失明に発展する可能性のある、かなりの視力障害がある。 

「米国医師会雑誌」(JAMA)の新しい記事(4)では、海洋性オメガ3脂肪酸の定期的な摂取が、高齢2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発症を遅らせるのに役立つことを示す初めてのいくつかの証拠を提供している。論文では、スペインで行われたPREDIMED無作為化比較試験(5)のデータのサブセットの観察研究を行い、参加者はさまざまな形態の地中海食に従った後、一連の臨床エンドポイントを評価した。検証された詳細な食事質問票を使用することにより、海洋性オメガ3の摂取量の現実的な評価が可能になった。サブセットコホートは3482名の高齢の2型糖尿病患者から構成され、平均年齢は67.5歳であった。平均6年間の追跡調査期間中、海洋性オメガ3を一日あたり500mg以上摂取したグループでは糖尿病性網膜症を発症した割合が0.17%、一方で500mg未満の摂取グループでは0.49%の発症率となった。欧州委員会は、一日あたり250mg以上のオメガ3脂肪酸ドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取ができる食品について、一般的に健康な人々に対する「正常な視力を維持する」ことに役立つという健康表記を許可した。(6)

リファレンス

  1. National Eye Institute; “Facts About Diabetic Eye Disease”;  https://nei.nih.gov/health/diabetic/retinopathy .
  2. Xu H, Curtis T & Stit A; "Pathophysiology and Pathogenesis of Diabetic Retinopathy": Diapedia 13 August 2013. 7104343513 (14). doi:10.14496/dia.7104343513.14..
  3. Pardianto G; et al. (2005). "Understanding diabetic retinopathy". Mimbar Ilmiah Oftalmologi Indonesia. 2: 65–6
  4. Chew EY, “Dietary Intake of Omega-3 Fatty Acids from fish and risk of diabetic retinopathy”; JAMA June 6, 2017; 317 (21):2226-7.
  5. Sala-Vila A,  Díaz-López A,  Valls-Pedret C  et al.; “Dietary Marine ω-3 Fatty Acids and Incident Sight-Threatening Retinopathy in Middle-Aged and Older Individuals With Type 2 Diabetes Prospective Investigation From the PREDIMED Trial”:  JAMA Ophthalmol 2016; 134(10); 1142-1149.
  6. Official Journal of the European Union 25.2.12, Commission regulation (EU) 432/2012 of 16th May 2012.