ビタミン E

ビタミンEは、メチル基の位置によって8つの異なる型があり自然界に広く普遍的に存在する脂溶性化合物の総称です:4つのトコフェロール(アルファ-、ベータ-、ガンマ-および、デルタ-)および、4つのトコトリエノール(アルファ-、ベータ-、ガンマ-および、デルタ-)の型で存在し、それぞれの生物学的機能を持っています。ヒトの場合は、アルファ-トコフェロールのみが肝臓によって特に選ばれて濃縮されることから人体内で最も豊富に存在します(1)。その他のビタミンEの型は急速に新陳代謝し、低い濃度でしか残りません。従って、食品栄養委員会は、2000年にアルファ-トコフェロールに基づいたビタミンEの摂取を確立するよう提言しました(2)

植物内で発見されたアルファ-トコフェロール(天然または、d-アルファ-トコフェロールとも称されます)は、RRR-アルファ-トコフェロールです。強化食品および、食物サプリメントで主に使用されているビタミンEの型はall-rac-トコフェロール(合成または、dl-アルファ-トコフェロール)です。それには、RRR-アルファ-トコフェロールおよび、7つの極めて似通ったアルファ-トコフェロール型が含まれます。All-rac-アルファ-トコフェロールは、RRR-アルファ-トコフェロールに比較して多少生物学的に活性が低いのが特徴です(~26%低い);この数値の改訂が現在検討されています。

ビタミンE欠乏症は、「壊血病」(ビタミンC 欠乏症) あるいは、「くる病」(ビタミンD 欠乏症)ほど顕著には現れません。しかし、ビタミンE欠乏症の結果として生じる希な遺伝性疾患が指摘されています。治療せず放置すれば、これらの疾患は、神経損傷、筋衰弱、歩行困難あるいは、失明を引き起こす可能性があります。

保健機能

ヒトにおけるビタミンE(アルファ-トコフェロール)の主たる機能は、抗酸化物質としての機能だと考えられます。

疾病リスクの軽減

少なくとも5件の大規模観察研究の結果では、ビタミンE摂取の増加が男性、女性双方における心臓発作(心筋梗塞)あるいは、心血管疾患による死亡の減少と関連することを示唆しています。

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ビタミンEについて知っておくべきこと

  • その他の適用例

    心臓病の治療のためにビタミンEを使った臨床試験の結果には一貫性がありませんでした。

  • 推奨摂取量

    ビタミンEの推奨量を設定する場合の問題点は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)摂取への依存です。ヨーロッパ 全土で、PUFA摂取量において幅広い違いがあります。

  • 供給状況

    様々な調査からのデータによると、ヨーロッパでのビタミンE適量摂取は1日当たりアルファ-トコフェロール7ミリグラムから15ミリグラムの間と考えられています(62)。

  • 欠乏症

    重度のビタミンE欠乏症は、バランスと調和(「運動失調」)障害、知覚神経への損傷(「末梢神経障害」)、筋衰弱(「筋障害」)および、網膜への損傷(「色素性網膜症」)を含む主として神経症状を引き起こす原因となります。

  • 給源

    食物中のビタミンE(「RRR-アルファ-トコフェロール」、また、「天然」あるいは、「d-アルファ-トコフェロールと称されます)の主たる給源には植物油(オリーブ、ヒマワリおよび、ベニバナ油)、ナッツ、全粒粉および、緑色葉物野菜が含まれます。

  • 安全性

    数週間から数ヶ月間にわたって毎日2,000ミリグラムの天然あるいは、合成ビタミンEを摂取した成人について注目される副作用はほとんど認められませんでした。

  • 参考文献

    科学的参照の完全なリストを参照してください