欠乏症

食物からのビタミンB12の吸収は、胃、膵臓および、消化管(「腸」)の機能が正常であることを必要とします。

原因

ビタミンB12欠乏症の最も一般的な原因は、食物と結合したビタミンB12の自己免疫疾患(「悪性貧血」)と吸収不足(「吸収不全」)です;双方の原因は高齢化によってより一般的になります(30)

悪性貧血は、胃の自己免疫炎症の末期であり、ビタミンB12吸収のために自らの抗体に必要な胃細胞の破壊に至ります。治療には一般ビタミンB12または、高用量経口サプリメント投与もしくは、注射を必要とします(31, 32, 33, 34)

食物と結合したビタミンB12吸収不全は、胃の慢性炎症であり、食物中のタンパク質からビタミンB12を放出するため必要な酸産出腺細胞の破壊に至ります。食物と結合したビタミンB12吸収不全状態の患者はビタミンB12の増加の必要性に対応できません;かかる患者の場合、端的に強化食品と栄養補助食品内に含まれる結晶形態に頼るしかありません。

ヘリコバクターピロリ菌による感染は、「萎縮性胃炎」に進行する可能性のある胃の慢性炎症を引き起こし、その結果、胃腺の損失、酸産生の減少および、ビタミンB12欠乏症に至ります  (30)

ビタミンB12欠乏症の他の原因には、胃または、小腸部位の外科的切除が含まれます。

ビタミンB12は動物性の食物にのみ含まれるので、厳格な菜食主義者あるいは、完全菜食主義者にはビタミンB12欠乏症を引き起こす必然性があります。アルコール中毒患者(35) および、後天性免疫不全症候群(AIDS)(2)患者はビタミンB12の腸吸収減少の診断を受ける可能性があります。

症状

ビタミンB12欠乏症の結果B12に必要な酵素活性障害を生じています:人体に使用不能な形でのメチオニンシンターゼ低下活性は、ビタミンB9(葉酸)を閉じ込め、結果的に葉酸欠乏症をもたらします。従って、葉酸とビタミンB12欠乏症の双方において、DNA合成に当たって葉酸が利用できず、その結果、大きく、未成熟でヘモグロビンに乏しい赤血球(「巨赤芽球貧血」)の産生に至ります(2)。潜在的な原因が特定されるまで、巨赤芽球貧血の葉酸による治療は避けるべきです(36)

ビタミンB12欠乏症の神経症状は、四肢の痺れおよび、刺痛、歩行困難、記憶喪失、見当識障害および、情緒の変化が有る無しに拘わらず認知症を伴います。

舌の痛み、食欲不振および、便秘などの他の兆候の原因ははっきりしていませんが、それらはB12欠乏症の幾つかの症例に内在する胃炎症と関連しているのではないかと考えられます(27)