ノウハウ&知識

ご存知でしたか?

栄養素について知るべきことと興味深い事実

…生物学的活性測定に基づいた物質(例えば、ビタミン)量のための測定単位である「国際単位」(IU)は理化学で使用される国際単位系の一部ではない?

1つの国際単位(IU)の厳密な定義は物質毎に異なり、国際協定によって定められます。異なる物質間の等価はありません:例えば、1IUのビタミンEは、1IUのビタミンAビタミンC あるいは、ビタミンD と同じミリグラム数を含んでいません。

... 「ビタミン」と言う用語は実際には誤解を招く?

1898年に、イギリスの生化学者フレデリック・ホプキンズは、人体の機能に必要であるタンパク質、炭水化物、脂肪などに加えて、幾つかの食物が「補助栄養素」を含んでいることを示唆しました。1912年に、ポーランドの生化学者カジミエシュ・フンクは特定の健康上の利点をもたらす単離栄養素について「ビタミン」と命名することを提案しました。名前は、「vital」(「生命の維持に必要」を意味するラテン語から)と「amine」(基本的な窒素原子を含んでいる有機化合物)に由来しています。この名称は直ぐにホプキンズによって認められた「補助栄養素」と同義語となりました。


全てのビタミンがアミン(例えば、ビタミンC)であったわけではないことが示された時には、その名称は既に定着していました。ビタミンは共通の科学的性質を共有していませんが、一定の特徴を共有しています。それらは全て、正常な代謝と健やかな健康のために少量のみを必要とする有機栄養素である点で共通しています。ほとんどのビタミンは、食物摂取もしくは、サプリメントによって供給されます。人体は食物によらない給源から3つのビタミンに限って生成することができます:それらは、ビタミンD、 ビタミンK、  ビタミンB7 (ビオチン)です。

…微量栄養素(ビタミン、カロテノイドなど)は、往々にしてそれらの効力について誤った期待をされている?

これについては以下のように考えるとよいでしょう

微量栄養素は、ジャンクフードを主とした食事をする不健康な生活様式、喫煙、飲酒などの埋め合わせをするものではないこと:微量栄養素は「特効薬」ではありません。

微量栄養素の役目は既存の不均衡をおぎなって、健康効果を示すことです。

食物摂取と慢性疾患の関連性は極めて複雑です:プラスの効果が認められると同時に幾つかの因子か確実に変わります。

高用量投与が必ずしも高い効果をもたらすものではありませ。

…研究結果の妥当性は、研究のタイプ次第?

例えば、「レトロスペクティブ(遡及的)研究」は既に過去に収集されたかあるいは、研究参加者によって必要とされる記憶に基づくデータに依存するため不正確になりがちであるのに対して、時間の経過と共に現在の事象(例えば、栄養に関連する行動および、疾病発症のリスク)を記述するので「プロスペクティブ(前向き)研究」がより正確である可能性があります。「観察研究」 は、単に関連性を観察し(仮説生成)を提言するのに対し、 「ランダム化比較試験 (RCT)」は、因果関係(仮説テスト)を構築することができます。しかし、例えば結果が「メタ・アナリシス」内に統合されてしまった場合、健常者の疾病予防と患者の疾病進行の遅延のデータが入り混じってしまいRCTによる研究結果は誤解を招く内容になってしまう恐れがあります。往々にして、患者(療法)あるいは、抵抗力の弱いグループ(例えば、喫煙者)での高用量微量栄養素サプリメント投与の効果は、微量栄養素欠乏を防止するため強化食品および/または、栄養補助食品を使用する(予防)平均的な消費者に振り替えられます;これでは正確を期することはできません。

栄養補助食品を使った多くの研究では、既に病気を発症しているか、特定の疾患発症のリスクが増大している患者に対するテストを行っているところから、健康あるいは、疾病防止への効果を提示していないことに特に留意する必要があります。更に、これらの研究には、有効な調査対象数としての個人を含まず(有効実数でない)且つ、有意な効果を示すために必要な十分な調査時間が掛けられない(寸足らず)可能性があります。加えて、健康状態は、極めて多くの個々の要因(例えば、生活スタイル)によって影響されるので、微量栄養素の重要な効果を示すことは極めて難しいと言えます。

しかし、栄養補助食品は、「補うこと」を意図していても、健康的な食物摂取を「代用すること」を意図していないことに十分留意する必要があります。

…十分なビタミン摂取のための「バランスの取れた食事」には様々な果物と野菜を含む?

多種多様の果物や野菜を摂取することで健全な生命維持に必須の多くのビタミンとミネラルが確保できます。果物や野菜の摂取所要量は年齢、性別、健康状態によって変わってきます。

栄養不足を満たすために、多くの人々が強化食品と栄養補助食品を使っています: 老齢者にとって十分な食事を摂るあるいは必要量を満たすビタミン量を含む食事を作ること自体とても大変なことです;若年層について言えば、今日のペースの速い文化が、特徴的に野菜、果物および全粒粉などをほとんど含まない食物摂取にならざるを得ない環境を作っています。更に、妊娠、授乳中の母親、高齢者、スポーツマン、節食する人、愛煙家および/または、飲酒家、長期間医薬品の投与を受けている人々、免疫不全の人々などの特定の栄養素を数倍も摂取する必要のある人々がいます。

しかし、栄養補助食品は、「補うこと」を意図していても、健康的な食物摂取を「代用すること」を意図していないことに十分留意する必要があります。

... 買い物をする段階で果物や野菜の農薬を避けることができ且つ、適切な料理の手順でその量を減らすことができる?

店頭で購入できる果物や野菜にはかなりの残留農薬が含まれていることがあります。場合によっては、汚染のレベルが非常に高いので、健康への有害な効果を無視することはできません。殺虫剤で汚染された商品を避けるために、理想的な環境条件で生育した植物がより新鮮で、従って過剰な化学的保護を必要としないのでシーズン中に産地給源の果物や野菜を捜すのが一般的に賢明と言えます。さらに、長距離を輸送されて来る製品の多くがかなりの量の化学薬品を使って鮮度を失わないよう保護されるていると考える必要があります。

更なるヒント:

「ワックスしていません」のフルーツの広告は、単に保護コーティング処理をしていないという意味です。オレンジまたは、レモンの皮を使いたい場合は、有機栽培の果実を選んでください。一般に、有機栽培された果物と野菜はたいてい残留物がありません。この理由で、育児食を準備する場合は、有機栽培製品を使用すべきです。

殺虫剤による汚染は、季節によって大いに変わります:1月から5月までに売りに出される早生イチゴは、通常6月以降シーズン中に収穫された国内イチゴより多くの残留農薬を含んでいます。

常に、流水の下で例えば、マイクロファイバー製布巾や野菜用のブラシで良く擦りながら完全に果物や野菜を洗浄してください。これは、殺虫剤の僅かな部分を取り除くだけでしょうが、何もしないよりは益しです。

柑橘系果物、バナナおよび、マンゴーの皮を剥いた後は、手を素早く洗浄してください。これによって、殺虫剤を皮から指に、指から果実に、そして、そこから口に移るのを防ぎます。また:皮を付けたままの状態でバナナを切らないでください-さもないと皮からの残留物が果肉に移ってしまいます。

巻きの堅いレタスを選んでください:現在の調査では、それほど汚染されていないとしています。しかし、食物中の残留農薬の量は、料理の準備中にも減らすことができます。レタスの外の葉を取り除いてください-そこには最も大量の残留物が含まれています。

ジャガイモは土の奥深くで生育するので、殺虫剤の集中的な使用に拘わらず、あったとしてもほんの僅か残留物によって汚染されます。ジャガイモの袋の上に「収穫後処理」と言う表示がある場合は、食べる前に常に皮を剥くようにしてください。

料理の助言:野菜が調理される時、残留農薬は更に減ります。しかし、貴重な野菜の栄養分を全て破壊してしまうのを避けるため煮過ぎには気を付けてください。鍋を熱くしてから始めて、温度を弱火にし、簡単に蒸し煮にしてください。

... 厳密に言えばビタミンDは、人間の皮膚が生成できるのでビタミンではない?

ビタミンD(カルシフェロール)は、ホルモン活動自身を全くしないことを意味する脂溶性ステロイド・ホルモン前駆体ですが、皮膚内の光化学(紫外線B放射誘導性)合成メカニズムを通して、活性ホルモン形に変換されます。皮膚内での生成または、食物での摂取後に、肝臓および、腎臓内で器官システムの維持において重要な役割を果たす1  25ジヒドロキシビタミンDの形、ビタミンD(カルシトリオール)の生理的な活性形(1,25(OH)2D)に変換されます。

…発見のタイミングに従って、ABC順でビタミンを名付ける独創的アイデアはBビタミン群の出現によって挫折した?

「ビタミンA」が発見された時、次の活性物質は「ビタミンB」と呼ばれました。その後「ビタミンB」が実際には1つの物質ではなく異なるビタミンのグループ(「複合体」)であることが発見されました。続くアルファベットが既に割当てられていたので、それらの複合体物質に数が与えられ、その結果ビタミンB1、B2、B6および、B12と言う名称が付きました。他のビタミンBは後で発見されて、それぞれ自身の名称(例えば葉酸)が与えられました。番号付けにおける欠落は、最初ビタミンと間違われた多くの物質が複合体から取り除かれた結果です。

…動物界の殆どはビタミンCを作り出すことができる?

生命を維持するためにビタミンC摂取を必要とする動物は、モルモット、コウモリ、スズメおよび、人間を含む大型霊長類です。

…ビタミンは「体内の化粧品」として機能することができる?

皮膚は外界との接触面として、特定の緊張下に置かれます。特にこの理由で、皮膚は集中的な代謝と再生物質を必要とする急速な再生過程に左右されます。従って、肌のきめを最適化するために、身体へのビタミンなどの栄養素の十分な供給が必要です。

ビタミン欠乏症は、時に皮膚の変化を引き起こします。栄養素の供給が最適化されると、これらの欠乏症は消えます。従って、正常な肌のきめのみならず、手足の指の爪や髪の毛を含む体毛の成長と外観を維持するためには、栄養素の摂取が必要です。

…ダイエットはビタミン欠乏症のリスクを増大させる可能性あり?

減量のための信頼できる食事療法を取りまとめることはなかなか難しいことです。特定の食物を断つことと、食物全体の量を減らすことによって、ビタミンとミネラルの摂取はかなり減ることになります。ほとんどの栄養士が、1日1,500カロリーの食物摂取でビタミンの必要量を満たすことが非常に難しいことに合意しています;そして、1日当たり1,000カロリーまで大幅な食物摂取縮小の場合は、ほとんど必要なビタミンの摂取は不可能になります。

与えられた栄養素摂取に関しての系統的なコントロール方法が無いので、「全ての食物をほんの少しだけ」食べると言う考えには多くの問題が伴います。特定の食物摂取量は増やすが他の食物摂取は認めないというような片寄った節食方法(例えば、アトキンズダイエット、ジャガイモダイエット、卵ダイエット)は極めて危険です。人体内のビタミン蓄積は、極端な食事制限(絶食)で極めて急速に使い尽くされてしまいます。

…ビタミンは減量を促進できない?

栄養に関連した減量は、エネルギー(カロリー)摂取を制限することによってのみ達成される方法です。人体に蓄積されたエネルギー(脂肪)を消費することで減量を促進しなければなりません。

…ビタミンは減量を促進できない?

特定の医薬品の長期摂取は、それが人体内のビタミンの摂取、利用、蓄積および、排出率に影響を及ぼすことからビタミンの平衡失調を起こす恐れがあります。例えば、経口避妊薬(ピル)は、ビタミンB6とビタミンB9(葉酸)の必要性に影響する可能性があります。利尿剤は、尿によって幾つかのビタミンの排出を増大させることから、ビタミンの補給が必要になります。ビタミンバランスを阻害する他の医薬品は、例えば、特定に抗生物質とスルフォンアミド、抗マラリア薬および、抗結核治療薬などです。場合によっては、「抗ビタミン効果」は病気治療、例えば癌化学療法で使用されることがあります。

…アルコール飲料は、ビタミン必要量に影響する可能性あり?

重度の常習的なアルコール摂取は、ビタミン特に、ビタミンB1、B2、B6および、B9(葉酸)の摂取と吸収に弊害をもたらします。更に、アルコール中の「エンプティー」カロリー(カロリーは高いが栄養がない)食物摂取を減らし、従ってビタミン摂取を減らします。このような場合には、ビタミンの追加摂取が必要です;しかし、重度の飲酒癖がもたらす他の問題を解決することができません。

…喫煙者にはより多くのビタミンCが必要?

喫煙者は、非喫煙者に比較して急速にビタミンCを消費します。研究では、愛煙家(1日当たり少なくとも20本のタバコを吸う人)が非喫煙者より多くのビタミンCを必要としていることが明白に示されています。しかし、適正なビタミン摂取を行ったとしても喫煙のダメージを補償することはできません。

…微量栄養素摂取が「多ければ多いほど良い」は間違っている?

全国的な保健機関は、微量栄養素摂取のための推奨案を提言しました。これらの基準値は、健康な個人が不足を避けるために達成すべき微量栄養素の適正な量を定義しています。更に、実際の基準値よりは多少高目の予防に役立つ提言があります。健康な人々にあっては、基準値を必要以上に超えることは必要でなくまた、望ましくもありません。例外は、特別必要とする条件を伴うあるいは、病気を発症している個人に当て嵌まりますが、この場合医学的な配慮が必要です。

…全ての必要な微量栄養素は、食物から摂取できる?

バランスの取れた食事は、個人的なニーズに従って、十分に微量栄養素を供給することができます。更に、その場合微量栄養素の内容が食物の不適当な取扱によって破壊されないことが保証されなければなりません。栄養素摂取は様々な野菜を中心に多用途で多様であるべきです。両極端に走ることは避けなければなりません。

…生の果物や野菜のビタミン含有量は、変化する?

ビタミンの含有量は気候と土壌次第でかなり変化があり、また多様性、受精、成熟、収穫の方法、運送手段および、貯蔵方法により変わってきます。

また、料理の手順も重要な影響を及ぼします。多くのビタミンは熱、光および、酸素に敏感で、果物と野菜は水処理するとビタミン濃度が下がることがあります。優しい処理により、ビタミンの損失を可能な限り低く抑えることができます。果物や野菜を切り刻んだり、ごしごし洗ったり、洗う前に水に漬けたりすることは避けてください。出来れば、果物や野菜は生で食べてください。野菜を調理する時は極力水を少なめにするか、フードスチーマーを使ってください。水が沸騰するまで野菜を水に入れないでください。野菜を調理するために使われた水は、多くのビタミンがその中に残っているので、可能な限りスープあるいは、ソースなどに再利用するとよいでしょう。

…保存されると、食物はそのビタミン含有量を失う?

食物のタイプと貯蔵状態によって、食物内のビタミン含有量はかなり減る可能性があります。例えば、正常に貯蔵されたジャガイモは最長3ヶ月貯蔵後ビタミンC含有量の3分の1を失います。ビタミンCは未処理の葉物野菜の場合、もっと早く-2~3日の内に-破壊されます。殆どのビタミンB(特に葉酸)は、等しく損傷を受け易いのが特徴です。

ビタミン損失を可能な限り低くするため、冷蔵庫の底の別個のトレイ内に果物や野菜を蓄える方法が最も理想的です。低温感受性の果物や野菜(例えば、トロピカルフルーツやジャガイモなど)は地下室もしくは、貯蔵部屋に貯蔵するのが最も良い方法です。

…食品産業のメーカーは時々ビタミンCを製品に追加する?

ビタミンC (アスコルビン酸) は、酸素に敏感で、水溶性です。従って、倉庫内の空気への露出によりもしくは、水処理の間に食物の中で部分的に破壊されてしまいます。食品メーカーは、ビタミンCを添加することにより酸化から食物を保護することができます。アスコルビン酸抗酸化剤を添加したときは、消費者製品の成分リストにその旨記載しなければならないことになっています。

…冷凍は、食物中のビタミンを保存する手っ取り早い方法?

低温倉庫は、他の食物貯蔵法より優れています。冷凍食品の場合、適切に生産されて、貯蔵されれば消費者に到達するまでの数日の倉庫保管時間と輸送時間の後でも新鮮な食物より多くのビタミンを含んでいます。

…完全菜食主義者の食事は、必ずしもビタミンが豊富ではない?

如何なる肉、卵または、乳製品も摂取しない完全菜食主義者は、極めて僅かなビタミンB2、B6、B12、Aおよび、Dしか摂取できません。動物由来の食物を摂取しない妊婦、授乳中の母親および、子供の欠乏症を防止するためには、特にビタミンB12のサプリメント投与を主とする特定の栄養素の追加補給が必要です。

…ビタミンはエネルギー源ではない?

ビタミンは、食物をエネルギーに変換することに役立ちますが、それ自身がエネルギー源となることはありません。人間は単に特別なビタミンを摂取することで身体的な能力を増大させることはできません。ビタミン不足が認められる場合、ビタミンの追加の摂取で不足を補うことで能力を増大させることができます。

…ソーセージは、ビタミンCを供給する?

消費者は、オレンジ、レモンおよび、パプリカがビタミンCの重要な給源源であることを良く知っています。しかし、ウインナーやフランクフルトソーセージまた、レバーパテや調理されたハムもまたビタミンCの優良給源であることは驚きです。

亜硝酸塩保存加工を行うため保存処理された肉製品は、通常抗酸化物質としてアスコルビン酸あるいは、ナトリウムアスコルビン酸塩を含んでいます。これらの添加物は、ラベル上に上記の名称の表示がなされるかあるいは、E番号E300または、E301と成分表示されます。

追加されたアスコルビン酸あるいは、アスコルビン酸塩の殆どは、在庫商品の有効期間の終わりまで製造および、保存後もハムあるいは、ソーセージ中に保持されています。一般的に、100g当たり20~25mg のビタミンCが摂取時に含まれています。1対のウインナーまたは、フランクフルトソーセージ(200g)の摂取によってビタミンCの一日当たり推奨栄養所要量 (RDA)の半分が供給されることを意味します。