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提言

微量栄養素要件と摂取についての提言

 ビタミンとカロテノイドなどの微量栄養素は食物摂取において必要量は微量ですが、生命と健康維持に必要不可欠です。特定の微量栄養素の不足は多くの健康上の問題を引き起こします。人体にとって長期間に亘って栄養不足が続くと、微量栄養素の不足によって健康に影響を受けることとなります。高齢者層、妊婦および、授乳中の女性、子供、低所得層および、季節労働者など特定のグループの人々はより影響を受ける傾向があります。

現在、ヨーロッパ諸国は、成人、子供および、特定の人口グループの毎日の食物摂取に含むべき各微量栄養素についての推奨摂取量を設定しています。国によって設定の年度が異なるのでそれぞれの年度の科学的証拠の進化に即して、多くのビタミンについての各国の設定内容は異なってきます。また、それぞれの国が結論を導き出す際に異なる手法を用いており、それぞれ異なる分析対象人口と年齢層を調査しています。この結果が、政策決定機関、健康管理専門家および、消費者間に混乱を招いています。

微量栄養素摂取のための保健機関の提言は、食物中微量栄養素量判定、食品供給計画、人口グループの栄養上の妥当性の評価など食物および、栄養方針全般に亘たって関連してきます。後者においては、殆どの国が大幅に内容の異なる自国が独自に決定した数値を採用しています。

20年を経過した提言を更新するために、欧州委員会は欧州食品安全機関(EFSA)
に対してエネルギー、主要栄養素および、食物繊維について当初の助言に基づく既存値についての最新の値について助言を求めました。微量栄養素についての調査は2008年に着手されました。専門家で構成されるパネルは、近い将来栄養と食糧政策の一般的な枠組を設定するものと見られています。

この目的は、欧州各国の政策文書として公表される提言に迅速且つ、有用に変換可能な証拠に基づいた信頼性のある微量栄養素摂取基準値について欧州全体にわたる科学的コンセンサスを構築することです。このプロセスにおいて、栄養科学のみならず、各国の社会的、文化的また倫理的相違点も考慮される必要があります。

更に、EFSAは、生涯を通じての最適な成長、生育、機能および、健康の維持のためのエネルギーと栄養素の供給を保証する均一な食物摂取の基準値の確立に懸命に取り組んでいます。この活動は米国で使われている「推奨栄養所要量」とヨーロッパの「栄養摂取基準値」などの競合分類システムに起因する既存の混乱を取り除くことが狙いです。

微量栄養素の要件

欧州委員会による要求に従って、食品科学委員会(SCF)は、2003年に以下を含む欧州共同体のための推奨栄養素摂取量を設定しました

  • 殆どの国々で「推奨栄養所要量(RDA)」と呼ばれる「参照摂取量(PRI)」は、すべてを網羅していないとしても、人口または、特定の人口グループの個々人が要件を満たすために確保すべき適正な栄養摂取量レベルを定義します。
  • 「平均必要量(AR)」は、要件の正規分布を与えられた人口グループにおける人々の半数に適正な摂取量(栄養素)のレベルです。

更に、いわゆる「参照標識化基準値(RLV)」が食品(100グラム当たり、100ミリリットル当たりまたは、1取り得分当たり)の微量栄養素の含有量を成人の栄養摂取量基準値のパーセンテージで表示するため使用されます。この情報は食品の栄養価の比較を可能にし、栄養源としてのそれらの相対的な意義と全体の日常の食物摂取における栄養素の重要性を伝えることに役立っています。栄養の標識化は消費者が個々の食物あるいは、それらの個々のニーズに適切な全体の食物摂取を選択できるよう一定の食物の栄養価を消費者に知らせる方法の1つと考えられます。

英国では、「栄養摂取基準値(DRV)」は、当該人口における様々なグループの健康な人々に必要な栄養素の推定量から構成されています。

  • 「基準栄養所要量(RNI)」は、該当するグループの殆どのニーズに合致する栄養素推定量です。
  • 「低基準栄養所要量(LRNI)」は、低要件(2.5%)の少数の人々のみに十分な栄養素推定量です;大多数はより多くの栄養素量が必要です。

米国では、微量栄養素摂取のための推奨は、米国医学研究所食品栄養委員会(Institute of Medicine’s Food and Nutrition Board – FNB)によって開発された「食事摂取基準(DRI)」において提供されています。DRIは、健康な人々の中で栄養素摂取を計画し且つ評価するため使われた一連の基準値に付された一般的な用語です。

DRIは、微量栄養素要件に関する以下の2つの基準値を含みます:

  • 「推奨栄養所要量(RDA)」は、各年齢層と性別グループにおける殆ど全ての(97~98%)健康な個人の栄養素要求量を満たすに十分な日常の平均的な食事の摂取レベルを推奨しています。
  • 「摂取目安量(AI)」は、RDAを確立するには科学的データが不十分な場合に設定されます。AIは、殆どの全ての人々について栄養上の妥当性を維持するために必要な推定量に相当するかまたは、それを超えています。

異なる国々と関連機関によって導入された成人対象のビタミンとミネラルの推奨される日常の摂取量(PRI/RDA)の概要詳細については PDFを参照してください。

微量栄養素の安全性

欧州委員会による要求に従って、欧州食品安全機関(EFSA)は、食物摂取要件を超えて個々人が微量栄養素を摂取した場合の健康への悪影響の可能性についての包括的な評価に基づく異なる人口グループのための可能な範囲での「許容上限摂取量(UL)」を確立しました。 

この要求の背景には、微量栄養素の安全性についての科学的助言が食物サプリメントと強化食品を視野に入れた上での来るべき統一EU立法の実現をサポートし、特にこれらの製品に含まれる微量栄養素について最大限の設定を支援する必要性があったからです。

許容上限摂取量(UL)は、人体に悪影響を与えるリスクがあり得ないと判断された栄養素(全ての栄養源からの)の日常の摂取量全体の最大のレベルを定義します。

米国医学研究所食品栄養委員会(FNB)は、「許容上限摂取量(UL)」を「食事摂取基準(DRI)」の一部として定義しました。

ULは、健康に悪影響を与えない摂取量の上限を定義します。.

ヨーロッパ、米国および、英国の保健機関によるビタミンとミネラルの日常摂取量合計についての上限安全レベルの比較詳細については PDFを参照してください。

国毎に幾つかの数値を設定するため使用された科学的証拠が常に同一ではなかったことから、数値が国によって異なっています。

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