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時間栄養学:自分の体に合わせてどのサプリメントをいつ摂取するか検討する

Published on

28 5月 2019

体内時計(起床、睡眠、その他の活動をするのを助けるために1日の特定の時間に化学信号を送る概日リズム)のことはご存知かもしれません。これに加え、人体には食物摂取と化学反応の働きを同期させる「食物時計」という機能もあります。動物や人間を対象とした研究により、この時計と同期していない食事は、体重増加、慢性疾患、早期老化に関連していることが分かっています1。この仕組みを上書きするために、遅くではなく、早く食べることで、体内時計と食事パターンを同期することができます。これが時間栄養学の概念です。 

体のシステムを同期する方法

普段の食習慣を少し変えるだけで、体内システムを同期させることができることが研究によって示唆されています。最も重要な2つのことがあります。 

  • 食事は日中(約12時間だが、さらに短いほうが良い)に限定します。つまり、夜間の食事量を減らすことです。 
  • 朝と日中は多く食べて、その後はあまり食べません。1日の終わりまでカロリーを節約するのではなく、カロリーを事前に溜めておくと、体は最も効果的に機能します。 

ビタミンサプリメント

食事を取ることで、身体を動かすのに必要なすべてのビタミン、ミネラル、微量栄養素、多量栄養素を取ることが理想です。しかし、研究によれば、栄養素の推奨食事許容量(RDA)に関しては、99.9%の人々は100%の推奨栄養素を摂取できず、ベビーブーム世代のわずか7%が全ビタミンとミネラルの1日の摂取量の20%以上しか得ていません2

時間栄養学の実践とサプリメントの役割 

私自身を含めて、長寿を促進する分野の専門家の多数は、このように栄養が不足していると、健康的に長生きするには最適ではないと考えています。体のシステムを同期させやすいように1日のうちのベストな時間に摂取すれば、全身の健康をサポートできるいくつかの栄養サプリメントがあります。 

ビタミンD3 

私たちの大昔の先祖たちの生活環境では、食物から活性ビタミンDを得る必要はありませんでした。日光を体に浴びることでこれを生成していたからです。褐色の肌は赤道周辺地域の強い日光から体を保護しつつ、健康な成長と発育を促進するために十分なビタミンDを生産できました。この時代の人々は屋外で長く時間を過ごし、日光を多く浴びていたので、体内のビタミンDレベルは50~110 mg/dLの範囲にありました。  

一方で、アトランタとロサンゼルスの間を結ぶ線より北側に住んでいる人々の67~93%はビタミンD欠乏症であり、血中濃度は30ng/ml以下です。10月1日から4月15日の間のこの地域の日照量だけでは、十分な活性型ビタミンDを生成できません。米国の南部に住む人たちでさえ、半数以上の人々のビタミンDレベルは30ng/ml(またはmg / dL)であり不足しています。血中のビタミンD濃度が35ng/mlあれば、動脈を老化の影響から守りやすいほか、認知症の発生率低下や勃起不全への対策に関連していることが研究により示されています3-12。  50歳を過ぎると、体によるビタミンDの吸収は不規則になることが分かっています。したがって、50歳以上の人には、年間50~80ng/mlのビタミンD濃度に達するために必要なサプリメントを知るために、毎年血液検査を受けることをお勧めします。そのときに、ビタミンDを2,000 IU摂取することについて医師に相談してください。

マルチビタミン 

時間栄養学に関しては、マルチビタミンの摂取を2回に分けることをお勧めします。半分は午前中に、残りの半分は午後に摂取しましょう。マルチビタミンの摂取を2回に分けることで、排尿によって16時間以内に失われる水溶性成分の体内の血液レベルを一定に保ちやすくなります。おそらく尿の色の変化でレベルの変化に気付くでしょう。 

1つの栄養素の量が急に増えると、他栄養素間の相関関係上に悪影響を及ぼすので、推奨される摂取許容量(RDA)に近い栄養素レベルでマルチビタミン摂取するようにしてみましょう。サプリメントを摂取することでビタミンまたはミネラルの摂取許容量を超えないように気を付けてください。さもないと、1つの栄養素が増加して毒性を示すかもしれません。

クエン酸カルシウムとマグネシウム 

カルシウムは骨の強度を高め、神経機能を助け、特定の癌のリスクを減らすなど、さまざまに健康をサポートします13, 14。一般に、人は1日に必要なカルシウムの半分(推奨される1日の総量は約1,200mg)を食物から摂取します。そのため600mgのサプリメントを摂取しましょう15。マルチビタミンのサプリメントだけでは不足するので、追加のサプリメントが必要になるかもしれません。マグネシウムを1日に300mg摂取することは、カルシウムに関連する便秘の合併症を防ぐのに役立ちます。この2つの栄養素の比率は癌の予防と神経機能に重要であるため、両方を毎日摂取する必要があります16。マグネシウムは筋肉や神経機能、血糖値、血圧の調整を助けるほか、タンパク質、骨、健全なDNAを作るのに重要です17

一般的には、睡眠の開始と維持を促進するので、夜にマグネシウムを摂取することをお勧めします。

DHAオメガ3 

DHAは魚油に含まれる成分です。オメガ3の97%は脳に存在し、脳脳細胞の健康を保つための食品です。1日にDHAオメガ3を900mg摂取するか、週に一度12オンス(340g)のサーモンやオーシャントラウトを食べることを推奨します(18-22)。1日の栄養レベルを維持するために、朝食での摂取を心がけてください。朝食にサーモンケーキを食べるのも美味しいですよ! 

いつ、何を食べるべきか考える食習慣に、時間ごとの栄養補助食品の摂取プランと組み合わせることによって、体は1日および一生を通して、重要な栄養素を最適化できます。 

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リファレンス

  1. Roizen, M.F. (2019) What to Eat When. Washington, DC, National Geographic.
  2. Ames, B.N. PNAS October 23, 2018 115 (43) 10836-10844; first published October 15, 2018 https://doi.org/10.1073/pnas.1809045115
  3. Giovannucci E. J. Natl Cancer Inst. 2006;98:451.
  4. Lappe J. M. et al. Am J Clin Nutr 2007; 85:1586.
  5. Gorhan E.D. Am J Prev Med 2007;32:210.
  6. Jenab M. et al. BMJ.2010;340.
  7. Garland C.F. J Steroid Biochem and Molecular Biology 2007;103:708.
  8. Goodwin P. et al. J Clin Oncol 2009;27:3757.
  9. Mokry L.E. et al. Neurology 2016 Dec 13;87(24):2567-2574.
  10. Autier P. et al. Arch Intern Med. 2007;167:1730.
  11. Melamed et al. Arch Intern Med. 2008;168:1629-1637.
  12. Afzal S. et al. BMJ. 2014; 346:g6330.
  13. Bodtock RM Amer J Epid 1999;149: 151-161.
  14. Lappe JM et al. J Clin Nutr. 2007;85:1586.
  15. Cancer Epid Biomark Prev 2013.
  16. Dai Q. et al. BMJ  2012; e002111.
  17. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Magnesium-Consumer/
  18. Jacques et al. Cord Level of DHA Associated Improved Visual Function 11.3 Yrs Later J Peds 2011.
  19. Hoffman Prostaglandins, Leuko & EFA, 2009.
  20. Stough, Neurob of Aging, 2012. 
  21. Chiu, BJOpth, 2009. 
  22. Ho, Arch Opth, 2011. 
  23. NUTRI-FACTS

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