ビタミン A // レチノール

推奨摂取量

ビタミンAの推奨摂取量は、人体が正常な生殖機能、免疫機能、遺伝子表現および、視力を維持するため人体内貯留を確保する必要のあるレチノールの適正量(4ヶ月分)に基づいています。

1993年に、ヨーロッパ食品科学委員会は、ビタミンAの推奨摂取量(PRI) を 既成(preformed)ビタミンA(レチノール活性当量、RAE、以下を参照してください)をマイクログラム(mcg)および、1日当たり国際単位(IU)で設定しました (22):

 年齢  男性: 
マイクログラム/日
(IU/日)
女性: 
マイクログラム/日
(IU/日)
 生後6~12ヶ月350 (1,166 IU)350 (1,167 IU)
 1–3 才400 (1,333 IU)400 (1,333 IU)
 4–6 才400 (1,333 IU)400 (1,333 IU)
 7–10 才500 (1,667 IU)500 (1,667 IU)
 11–14 才600 (2,000 IU)600 (2,000 IU)
 15–17 才700 (2,333 IU)600 (2,000 IU)
 18 才以上700 (2,333 IU)600 (2,000 IU)
 妊婦-700 (2,333 IU)
 授乳中の母親-950 (3,167 IU)

ドイツ栄養協会(DGE)などの多くの欧州栄養学会は、ビタミンA(レチノール)の成人女性1日当たり推奨摂取量を0.8mg、成人男性1日当たり推奨摂取量を1mgに設定しています (23)。ビタミンAが胎児と新生児の健全な発育のために重要な役割を果たすことから、妊娠4ヶ月目以降1日当たり1.1mgのビタミンAを摂取すべきです。授乳中の母親については、1日当たりの推奨摂取量は1.5mgです。

2001年に、米国食品栄養委員会(FNB)は、ビタミンAの 推奨栄養所要量(RDA) を既成ビタミンA(レチノール活性当量、RAE、以下を参照してください)のマイクログラム(mcg)および、国際単位(IU)の双方の単位で確立しました (24):

ライフステージ年齢男性: 
マイクログラム/日
(IU/日)
女性: 
マイクログラム/日
(IU/日)
 乳児 (AI)生後0~6 ヶ月400 (1,333 IU)400 (1,333 IU)
 乳児 (AI) 生後7~12 ヶ月500 (1,667 IU)500 (1,667 IU)
 小児 1–3 才300 (1,000 IU)300 (1,000 IU)
 小児 4–8 才400 (1,333 IU)400 (1,333 IU)
 小児9–13 才600 (2,000 IU)600 (2,000 IU)
 青少年14–18 才900 (3,000 IU)700 (2,333 IU)
 成人19 才以上900 (3,000 IU)700 (2,333 IU)
 妊婦18 才未満-750 (2,500 IU)
 妊婦19 才以上-770 (2,567 IU)
 授乳中の母親18 才未満-1,200 (4,000 IU)
 授乳中の母親19 才以上-1,300 (4,333 IU)

妊娠中の過剰な既成(preformed)ビタミンA(レチノール)の摂取は先天的障害をもたらす原因となることが知られています(安全性を参照して ください)。

世界各国と様々な団体によって策定された成人のためのビタミンとミネラルの一日当たり推奨摂取量(PRI/RDA)の概要詳細については PDFを参照してください。

プロビタミンA摂取-レチノール活性当量

食物、サプリメントおよび、プロビタミンAカロテノイドなど異なるビタミンA源はそれぞれ異なる効力を備えています。β-カロテン は、レチノールより吸収が難しく人体内でレチナールおよび、レチノールに変換されなければなりません;食物に含まれるその他のプロビタミンAカロテノイド(例えば、α-カロテン)はβ-カロテンに比較してさらに吸収が容易ではありません。

ビタミンA測定の国際基準は、変換比率を考慮しレチノールとしてのビタミンA活性を表す「レチノール活性当量」(RAE)です。米国食品栄養委員会によれば、変換係数は以下の通りです (24):

摂取量レチノールへの変換量RAE比率
 1 マイクログラム食物または、サプリメントビタミンAレチノール1マイクログラム*1:1
 12 マイクログラム食物ベータ・カロチンレチノール1マイクログラム12:1
 24 マイクログラム食物アルファ・カロチンレチノール1マイクログラム24:1

* 一般的に未だに使用されている旧国際基準は、国際単位(IU)です:1 IUはレチノール0.3マイクログラムに等しくまた、レチノール1マイクログラムはレチノール3.33 IU当量です。

食物β-カロテンのビタミンAへの換算係数は、時間の経過と共に変化し、異なる研究や調査で常に同じであった訳ではありません。

多くの研究者は1:6の換算係数を提言していますから、果物と野菜から1マイクログラムのレチノールを生成する場合、食物摂取によるβ-カロテン6マイクログラムが必要となります。