以下に留意ください:
微量栄養素の高用量投与による如何なる食事療法あるいは、薬物療法も人体自身の制御機構を抑制してしまう可能性があります;従って、微量栄養素療法は潜在的な副作用と毒性に関連性があるかも知れません。高用量の微量栄養素の投与は医師の指示に従って行われなければなりません。
胃の細胞がビタミンB12を吸収するために人体に必要な特定のタンパク質(「内因子」)を産生できないときに悪性貧血が起こります。兆候は虚脱感、血の気のない皮膚、下痢、体重減少、熱、痺れおよび、四肢刺痛、平衡感覚障害、精神錯乱、記憶喪失および、興奮性が認められます。内因子分泌不足状態の患者は、経口ビタミンB12を使用すれば効果的な治療ができますが、生涯ビタミンB12療法を必要とします。単体で使用される場合は、1日当たり150マイクログラム(mcg)が必要ですが、場合によっては、1週間1回1,000マイクログラムの経口投与でも十分であることが証明されています(22)。
複数の研究では、ホモシステインの高い血中濃度が、死亡率および、循環器系疾患のみならず、脳梗塞、アルツハイマー病、先天性欠損症、反復妊娠損失および、眼疾患を促進することが判明しています。疾病発症率を低くするための濃度にホモシステインを保持するためには、適正量のB12、ビタミンB9(葉酸)および、ビタミンB6を摂取することが必要と考えられます(23)。
ある小規模研究では、ビタミンB12が特段不足していない人々で身体的また、精神的疲労(「疲れ」)状態にあるときにビタミンB12注射から多くのエネルギーを得られる可能性を示唆しました (24)。ある予備的な研究では、慢性疲労症候群の人々がB12注射で回復する可能性があることを示しました。これらの観察を立証するため、より多くの研究が必要です。
複数の研究では、ビタミンB12サプリメント投与が精子の数と精子可動性を高める可能性があることを示唆します(25)。しかし、証拠としては弱く明確ではありません。B12に本当に有益な効果があるか否かについて決定するため、より一層の研究が必要です。