ビタミン B5 // パントテン酸

疾病リスクの軽減

創傷治癒

ビタミンB5(パントテン酸)の経口投与および、パントテノール軟膏の塗布が、皮傷の閉鎖を早め、瘢痕組織の力を増すことが動物では立証されていますが(6)、ヒトについては創傷治癒の促進を証明するデータは限られています。

刺青除去の手術を受けた患者の場合のランダム化比較試験では、1,000ミリグラムのビタミン C の200グラムの(パントテン酸)とのサプリメント投与によっては創傷治癒プロセスでの際立った改善が認められませんでした(7)

高コレステロールとトリグリセリド

複数の研究では、ビタミンではないビタミンB5(パントテン酸)誘導体であるパンテチンを毎日900ミリグラム(1日当たり300ミリグラムを3回)投与することでプラセボより著しく効果的に糖尿病および、非糖尿病患者のトータルコレステロールとトリグリセリド値を下げることが確認されました(8)

腎臓(腎)障害を伴う患者においては薬物毒性が増大するリスクがあるため、透析(血液透析)により血液を浄化する必要のある患者たちにとって特にパンテチンに副作用がないという事実が魅力となっています(9)

高い血中コレステロールあるいは、トリグリセリドの何れを治療するにしても、パンテチンが本当に有効であるか否かを大規模研究によって決定することが必要です。

リューマチ性関節炎

ある極めて予備的な証拠では、パントテン酸がリューマチ性関節炎(RA)の症状を軽減することに役に立つ可能性を示唆しています。

小規模研究では、1日当たり2,000ミリグラムのパントテン酸カルシウムによって、早朝硬直と苦痛を含むRA症状の改善が確認されました (10)。その研究で、RAを発症した人々の血液中にビタミンB5のレベルが健康な人々より低いことが判明し、最もビタミンB5の濃度が低い患者の病状が最も重篤であることに関連していることが確認されました。

これらの所見を確認するための更なる研究が必要です。