数週間から数ヶ月間にわたって毎日2,000ミリグラムの天然あるいは、合成ビタミンEを摂取した成人について注目される副作用はほとんど認められませんでした。
長期間アルファ-トコフェロールサプリメント投与を行った場合の副作用は十分研究されていません。最もやっかいな可能性は、血液凝固障害に関わるもので何人かの患者について出血(「大出血」)の可能性の増加です。
何人かの医師は、大出血のリスクを減らすため外科手術に1ヶ月先立ってビタミンEサプリメント投与を中止することを推奨しています。
未熟児は、アルファ-トコフェロールサプリメントの副作用に特に影響され易い傾向があります。従って、使用する場合は小児科医の指示に従ってのみ使用されるべきです(71)。
心臓病、末期腎不全(「腎不全」)および、アルツハイマー病を含む様々な疾病のための長期ビタミンEサプリメントの19件の臨床試験の結果を結合したメタ・アナリシスでは、1日当たり400 IUまたは、それ以上のサプリメントを摂取した成人が、ビタミンEサプリメントを摂取しなかった人々に比較して何らかの原因で死亡する傾向が6%高かったことを示しました(72)。しかし、専門家はこれらの調査のほとんどが慢性疾患/死亡の高いリスクの患者を対象に行われたことまた、その結果を健康な成人に一般化しようとした試みは極めて危険性が高く不適当であると批判しました。
ビタミンE投与によるリスクと他のビタミンやミネラルサプリメントに関する調整のさらなる分析結果は、死亡リスクの増加は統計的に1日2,000 IUの極めて高い用量においてのみ起こり得ることであってしかも、この1日当たり2,000 IUと言う投与量も何度も推奨されている量であることを明らかにしました。
さらに、ビタミンEのより高用量投与を受けた多くの人々を対象とした長期研究では如何なる副作用も報告していません:心血管疾患の防止もしくは、治療のためのビタミンEサプリメント投与の効力を評価するためデザインされたランダム化比較試験の結果を結合した3件の他のメタ・アナリシスでは、1日当たり800 IUを最大とするビタミンサプリメント投与が心血管疾患による死亡あるいは、全死因死亡率を著しく増加させたか、あるいは減少させたかについての証拠が皆無です(73, 74, 75, 79)。
現在では、1日当たり800 IUを最大とするビタミンEサプリメント投与が心血管疾患あるいは、他の原因による死亡のリスクを増加させたと言う説得力のある証拠が全くありません。
8件のランダム化試験のメタ・アナリシスでは、サプリメントビタミンEが単独または、他の抗酸化物質サプリメントととの組み合わせでの使用で、全死因死亡のリスクが大幅に変わらなかったことが判明しました(76)。しかし、専門家たちは、かかる結論が引き出された背景が、多種多様な調査人口(健常者および、病気を発症している患者)を対象とした試験からの極めて不備なメタ・アナリシス用プーリングデータに基づくものでありかつ、異なる分析手法が使われていることに深刻な疑念があることを指摘しました(80)(専門家の鑑定結果も参照してください)。
40人の若年男性を対象とした臨床試験の結果では、特に抗酸化物質であるビタミンCとビタミンEが運動の有益な効果を阻害する可能性があるのではないかと言う憶測を引き起こしました(77)。潜在的には有害な筋肉内のフリーラジカルを生成するとしても、他方ではまた、酸化的ストレスに反応するよう筋肉を呼び覚まします。この反応は筋細胞のインスリン(血からのグルコース摂取を司るホルモン)感受性と摂取を含みます。それ故、運動は潜在的に糖尿病を防止するか、改善すると考えられます。この研究の著者は、ビタミンCとEなどの抗酸化物質がフリーラジカルとの適応応答をブロックし、従って糖尿病パラメータへの運動の有益な効果を防止すると提唱しました。
それ故、運動は潜在的に糖尿病を防止するか、改善すると考えられます。この研究の著者は、ビタミンCとEなどの抗酸化物質がフリーラジカルとの適応応答をブロックし、従って糖尿病パラメータへの運動の有益な効果を阻害すると提唱しました。
しかし、専門家は研究が既存のインスリン耐性を備えた人々を対象としたものでなく、健康な個人を対象に行われた点で、結果が非常に限定的な妥当性しか示していないとコメントしました。更に、フリーラジカルの糖尿病防止効果は非常に不確かな情報に基づいた推論であるのに対して、フリーラジカルの長期にわたる有害な効果は既に実証されていて(例えば、アテローム性動脈硬化症)抗酸化物質により減少させることができることが判っています (専門家の鑑定結果も参照してください)。
欧州食品安全機関は、ビタミンE(アルファ-トコフェロール)摂取のための許容上限摂取量の設定に当たって副作用イベント(例えば、出血)を回避すべく、確立しました(78):
年齢 (才) | UL (ミリグラム/日) | |
1-3才 | 100 | |
4-6才 | 120 | |
7-10才 | 160 | |
11-14才 | 220 | |
15-17才 | 260 | |
成人 | 300* |
* 当該 UL は妊婦および、授乳中の母親にも適用されます。
米国医学研究所は、ビタミンE(アルファ-トコフェロール)のための許容上限摂取量(UL)を出血の防止に基づいて確立しました (2):
年齢グループ | UL単位ミリグラム/日 (IU/日 d-アルファ-トコフェロール) | |
乳児 0~12ヶ月 | 設定不能* | |
小児 1~3 才 | 200 mg (300 IU) | |
小児 4~8 才 | 300 mg (450 IU) | |
小児 9–13 才 | 600 mg (900 IU) | |
青少年 14–18 years | 800 mg (1,200 IU) | |
成人 19 才以上 | 1,000 mg (1,500 IU) |
*給源は食物および、フォーミュラ(乳幼児用ミルク)に限ります。
薬物間相互作用
以下に留意ください:
相互作用の可能性があるため、栄養補助食品は、摂取に先立って必ず医師にご相談ください。