専門家の意見
脳の健康を支える3本柱
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28 8月 2018
紛争、自然災害の発生、伝染病の流行時は栄養状態の管理が非常に難しくなります。干ばつや洪水は作物を破壊し、急激な食糧不足を招く恐れがあります。戦争などの人的災害、地震や洪水などの自然災害は、道路や橋などのインフラを破壊するため、必要な場所で食糧を入手することが困難になります。武力紛争や政治的混乱は難民を生み、人口移動をもたらし、多くの人々は元々住んでいた土地や送っていた生活から切り離されます。感染症の流行は労働人口に影響を与え、急激な労働力不足を招き、発症した人がいる世帯の所得が落ち込む可能性があります。紛争や災害の被害を受ける人々にとって大切なのは、栄養豊富な食糧を得ることです[1]。国際連合世界食糧計画 (WFP) のような人道的活動団体では、栄養不足の影響を受けた人々を支援するための特別な食品を開発しています。非常食とその使用方法
災害発生の翌日は、被災者に健康を維持するのに十分なカロリー、タンパク質、微量栄養素を人々に提供することが急務です。特に、災害発生から間もない段階では、調理しないで食べられる食品を用意しなければなりません。そうした食品は、基本的に災害発生から最初の2週間は食べられるように考案されています[2]。非常食は安全に食べられるならどんな種類の食物でも構いませんが、栄養学的に合理的で口当たりが良く、持ち運び可能で栄養価が高いものが良いでしょう。[2]例えば、ビスケットは消費期限が長く水分含有量が低いので持ち運びやすく保管しやすいです。
WFP やユニセフなどの救援組織では、栄養価の高いビスケットを非常食として使います[3,4]。美味しく、最大で15日間生存するのに十分な栄養素を含むように考案されています。非常食のもう1つの例は BP-5™ です。この乾パンは、高度200メートルを飛行する支援航空機から地上に投下されても中身が損なわれず、消費期限は少なくとも5年間と非常に長く、非常時に生命活動を維持するために必要な多量栄養素と微量栄養素がすべて含まれています[5]。
非常食は災害発生直後の調理が不可能な状況でも食べられるように設計されています。数週間以内に、足りない食糧や備品の提供を続けながら、人々が調理をできるように状況を安定させるというのが理想です。WFP の配給食糧のような援助では、現地の状況に合わせて調整し、食糧需要を完全に満たすか、食糧が不足している場合は補充するように活動しています[3]。配給食は通常、米や穀粉のような澱粉質の主食、豆類のタンパク質源、強化植物油、砂糖、塩、栄養補給レーションなどを含み、必要なビタミンとミネラルを補給できるようになっています。各救援団体は、現地の農家の農産物販売を妨げないように、地元の食糧を使用することを目指しています。非常食は、平常時と同じように食べることができ、被災者の食文化にも配慮したものであるべきです。被災地であっても農業や市場活動が可能な地域では、食習慣の多様性と栄養価を向上させるために、食料援助で新鮮な農産物を含めることが奨励されます。
特別な栄養を必要とする人たちは災害の影響を最も受けやすい人たちです。乳児、幼児、妊婦、高齢者、病人がこれに含まれます。すぐに食べられる栄養補助食品 (RUTF) は、こうした人々の命をつなぐ手段となり得ます。これらの食品は特別に開発されており、一般的にピーナッツやその他のマメ科植物をベースとした甘い味付けのペースト状になっています。特別な準備は必要なく、1食で重度の栄養失調の人々を補助し、急激な体重減少が起こらないようにします。RUTF の重要な特徴は口当たりがよいことです。
医療専門家の監督下で、回復に必要なすべての栄養素を提供するために患者の家庭で使用することができます[6]。患者が十分な体重を取り戻す、重度の急性栄養失調の人に見られる浮腫をなくすなど、患者の栄養補給目的でのみ使用することを意図しています。
最もよく知られている RUTF は、ビタミンやミネラルが強化されたピーナッツとミルクパウダーを含むペーストで、生後6ヵ月の乳児に適しています[7]。RUTF 以外にも、ヒヨコマメのようなタンパク質を含み、自然な味で、アレルギーを起こすリスクが少ない、RUTF と同様の栄養価を有する食品も、重度の栄養失調を治療するために摂取することができます[8, 9]。
災害時や緊急時は命をつなぐために食糧援助が不可欠です。しかし、これらの危機的状況は、人間の行動の直接または間接的な結果として生じます。災害の原因となる地球規模でのいくつかの重要な問題は、気候変動、政治腐敗、天然資源の管理不足、貧困、教育不足などが挙げられます。食糧援助を必要とする人々の数を減らすには、人道問題を解決することが大切です。
他方で、WFP などの主要な国際援助機関は、現時点で資金不足に直面しており、一番助けが必要な地域へ支援する能力が落ちています[10]。これは、最も苦しんでいる人たちへの食糧援助量の削減につながっています。この記事をお読みになった皆さんが、弱っている人が非常食または RUTF を手にできるよう、慈善団体への寄付やボランティアへの参加を検討していただければ幸いです。
14 6月 2018
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1 5月 2016
5月 01, 2016 - フィンランドにおける研究結果によると、完全菜食主義者が自らの食事に高度な注意を払っている場合であっても、微量栄養素欠乏症に曝されることが実証されています。
24 10月 2018