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目の健康に注目:目の健康のための栄養素

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21 5月 2019

目は人間の器官の中で、最も驚異的なものの1つです。その仕組みは驚くほど複雑で繊細です。周囲の環境から光を集め、それを映像に変換して脳に転送するのが目の役割です。目のレンズは、見る物のピントを合わせるのに使われます。虹彩と瞳孔は、目に入る光の量を調節します。目の周りの筋肉によって見る方向が変わります。眼球の奥にある感光性細胞が映像を取り込み、脳が読み取れる信号に変換します。視神経は映像を脳に伝えます。硝子体や血管などのその他の部位が眼球の形を維持し、栄養を送り込むことで、目の働きを支えています。  

目の健康をサポートし、今だけでなく将来も視力を保つには、特別な栄養が必要です。 

ビタミンAとベータカロチン

ビタミンAは、おそらく目にとって最も重要な栄養素です。ビタミンAは、目の中で光情報を信号に変換する際に使われます。この信号が脳に送られて映像に変わります。ビタミンA欠乏症は、夜盲やドライアイなどのトラブルの原因になります。ビタミンAが不足していると、光が少ない場所で物を見るのに必要な感光性色素を体内で合成できなくなります。また、ビタミンAの摂取量が極端に少ない場合、目の表面の潤いを保つ涙が分泌されなくなります。ビタミンA不足を放置すると、永久的な視力喪失につながる場合もありますので、日頃から十分な摂取を心がけましょう。

ビタミンAは2種類の食材から摂取できます。1つ目は肉で、特にレチノールを多く含むレバーなどの内臓です。これは「既成」ビタミンAと呼ばれ、体内に吸収されやすいのが特徴です。人参やほうれん草などの明るいオレンジ、黄色、濃い緑の果物や葉物野菜には、ベータカロチンが豊富に含まれています。ベータカロチンは特殊な酵素によって小腸でレチノールに変換されます。体内でベータカロチンから作られるビタミンAの量は、果物や野菜を加熱しているか、何と合わせて食べるかなど、さまざまな要因によって異なります。 

黄斑色素ルテインとゼアキサンチン

眼球の奥には、映像を受け取り、脳に送る感光性細胞があり、これを黄斑と呼びます1。興味深いことに、食品を食べて摂取される2種類の色素は、この細胞があるところに集まります。この2つの色素は明るい黄色で、ルテインとゼアキサンチンと呼ばれます。いずれも、黄色、オレンジ、濃い緑の果物や野菜に含まれています。ルテインとゼアキサンチンは、酸化によるダメージから黄斑部の視細胞を保護する働きがあると考えられています1。 

加齢性黄斑変性症(AMD)などの症状は、ルテインとゼアキサンチンの摂取に関連がある可能性があります。AMDは失明の原因の1つとされており、世界の失明の9%がAMDによるものと言われています。先進国では、失明の主要な原因となっています2。失明は、眼球の奥にある視細胞が損傷を受け、時間の経過とともに機能が失われて起こるものです。ルテインとゼアキサンチンは、時間の経過とともに起こる黄斑の視細胞の損傷を防ぐ効果があります1。加齢黄斑変性症の発症リスクがある場合、標準的な治療法として、ルテインとゼアキサンチンのサプリメントが処方されます3

ルテインとゼアキサンチンは、光フィルターとしての役割を果たします。黄色のフィルターを使うと、太陽やコンピューター画面のまぶしい光を遮断するのと同じように、ルテインとゼアキサンチンは目に入る光をブロックします1。目に含まれるルテインとゼアキサンチンの濃度が高いほど、視覚機能が向上し4、強い閃光を見た後でもすぐに視力が回復すると考えられています5

オメガ3と目

オメガ3脂肪酸ドコサヘキサエン酸(DHA)は、高い濃度で目に含まれています。幼児の正常な視力の発達に必要な栄養素です6,7。DHAは、目の中の視覚細胞の壁を作り、眼球の形状に影響を及ぼします6,8。DHAの摂取量が不足した幼児の場合、視覚機能に悪影響を及ぼすリスクがあります。母乳にはDHAが含まれています。DHAを幼児の栄養食品に添加すると、視力が向上するという臨床研究結果も出ています。現在では、世界中で幼児の栄養補助食品に標準的に添加されています。 

高齢者になると、脂肪を豊富に含む魚から摂取するオメガ3脂肪酸が目のトラブルを解消します。ドライアイは一般的な目のトラブルですが、特に高齢者に多く見られます。この状態は、涙の分泌より涙の蒸発が早く、目の痛みや乾きを引き起こす症状です10。全国的に実施された調査によると、罹患率は5~35%にものぼります10。体内のオメガ3脂肪酸の量が増えると、ドライアイ症状に伴う炎症が低減され、ドライアイの症状が軽減されるという研究報告も出ています11。17件の臨床試験では、ドライアイ症状が和らいだというメタ分析が出ています12。 

健康的な目の食事

ビタミンA、黄斑色素ルテインとゼアキサンチン、オメガ‐3脂肪酸など、健康な目に欠かせない栄養素を紹介しました。これらの栄養素を効率良く摂取するには、国の食生活指針(食事摂取基準)を順守し、色の鮮やかな果物や野菜をたっぷり食べ、1週間に1回は、脂肪の多い魚を食べることです。摂取量がこれらの基準値に満たない場合は、栄養補助食品で補うのも良いでしょう。

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リファレンス

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  2. Jonas JB, Bourne RR, White RA, Flaxman SR, Keeffe J, Leasher J, Naidoo K, Pesudovs K, Price H, Wong TY, et al. Visual impairment and blindness due to macular diseases globally: a systematic review and meta-analysis. Am J Ophthalmol 2014;158(4):808-15. doi: 10.1016/j.ajo.2014.06.012
  3. Gorusupudi A, Nelson K, Bernstein PS. The Age-Related Eye Disease 2 Study: Micronutrients in the Treatment of Macular Degeneration. Adv Nutr 2017;8(1):40-53. doi: 10.3945/an.116.013177
  4. Hammond BR, Jr., Fletcher LM, Elliott JG. Glare disability, photostress recovery, and chromatic contrast: relation to macular pigment and serum lutein and zeaxanthin. Invest Ophthalmol Vis Sci 2013;54(1):476-81. doi: 10.1167/iovs.12-10411
  5. Hammond BR, Fletcher LM, Roos F, Wittwer J, Schalch W. A double-blind, placebo-controlled study on the effects of lutein and zeaxanthin on photostress recovery, glare disability, and chromatic contrast. Invest Ophthalmol Vis Sci 2014;55(12):8583-9. doi: 10.1167/iovs.14-15573
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  9. Hoffman DR, Boettcher JA, Diersen-Schade DA. Toward optimizing vision and cognition in term infants by dietary docosahexaenoic and arachidonic acid supplementation: a review of randomized controlled trials. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids 2009;81(2-3):151-8. doi: 10.1016/j.plefa.2009.05.003
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  11. Walter SD, Gronert K, McClellan AL, Levitt RC, Sarantopoulos KD, Galor A. omega-3 Tear Film Lipids Correlate With Clinical Measures of Dry Eye. Invest Ophthalmol Vis Sci 2016;57(6):2472-8. doi: 10.1167/iovs.16-19131
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