欧州食品安全機関 (39) および、米国食品栄養委員会 (1) は、β-カロテンや他のカロテノイドのための推奨栄養所要量(RDA)あるいは、摂取目安量 (AI)を設定するためには既存の証拠では不充分であるという結論をだしました。
ほとんどのヨーロッパ諸国では、推奨摂取量は、4.8ミリグラムのベータ・カロチンが800マイクログラムのビタミンA(換算係数6)の所要摂取量を満たすために必要とされるという仮定に基づいています。疫学研究上からは、予防衛生上期待される効果を得るのであれば、1リットル当たり0.4マイクロモルのβ-カロテンの血漿中濃度達成を目指すべきだとしています。この目標を達成するには、1日当たり2~4ミリグラムの摂取が必要です(40)。
β-カロテンに富む食物摂取は、米国国立ガン研究所(NCI)や米国農務省(USDA)などの科学機関や政府機関により推奨されています;これらの食物ガイドラインでは慢性疾患のリスク軽減のため、1日当たり3~6ミリグラムのβ-カロテンの食物摂取を推奨しています。
長期間高用量のβ-カロテン(推奨摂取量の5~I0倍)(安全性を参照してください)を摂取するヘビースモーカーにおける肺ガンのリスク増加を観察する2件の臨床研究に呼応して、ドイツの食品産業界は自発的に飲料(100ミリリットル当たりベータ・カロチン最大2ミリグラム)と食品サプリメント(1日当たり最大4.8ミリグラム)のための自主規制方針を発表しました。ヘビースモーカーにとって1日当たり4.8ミリグラム以上のβ-カロテン食物サプリメントの摂取はお勧めできませんしまた、摂取する場合も短期間に限定すべきでしょう。