生体外(細胞培養)研究では、ビタミンB3(ナイアシン)補酵素NAD含量がガン発症の重要なリスク因子となるDNA損傷への細胞性応答に影響するという証拠が明らかになっています(4, 5, 6).
しかし、細胞NADレ濃度と人におけるDNA損傷あるいは、ガンの防止についてはあまり知られている訳ではありません(7,8)。DNA損傷に伴う防御反応の最適化に必要な細胞のNAD含量もNAD前駆体(ナイアシンおよび、トリプトファン)の食物摂取のいずれについても確認されていません。
DNA修復の生化学と細胞の両面についての研究は、人口母集団におけるビタミンB3(ナイアシン)摂取とガンのリスクの関連性についての研究の必要性を刺激する結果となりました(9)。大規模症例対照研究では、抗酸化栄養素を伴うナイアシン(5.2~6.2ミリグラム)の増量摂取が口腔ガン(口腔)、咽頭ガン(咽喉)および、食道ガンの発症率を40%減らす効果がる可能性が認められました (10, 11)。
子供に発症するインスリン依存性糖尿病は、1型糖尿病とも呼ばれ、膵臓内のインスリン分泌細胞の自己免疫性破壊に起因することが判っています。生体外研究および、動物実験から得られた証拠は、高単位のビタミンB3(ニコチンアミド)が炎症性白血球および、活性酸素種からインスリン産出膵臓細胞を保護することを示しています。従って、ニコチンアミドは、1型糖尿病患者のインスリン依存の開始を遅らせることに役立つかもしれません。
5つのランダム化プラセボ比較試験を含む10の公表済み実験の分析により、ビタミンB3(ニコンチンアミド)を使った治療を開始して1年後インスリン産出細胞機能改善の証拠を示しましたが、残念ながら分析での血糖値(血糖)管理改善の如何なる臨床的立証も失敗に終わりました(12).
ニコチンアミドと異なり、ニコチン酸の1型糖尿病防止効果は立証されていません。