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ビタミンB6 // ピリドキサールリン

その他の適用例

以下に留意ください:

微量栄養素の高用量投与による如何なる食事療法あるいは、薬物療法も人体自身の制御機構を抑制してしまう可能性があります;従って、微量栄養素療法は潜在的な副作用と毒性に関連性があるかも知れません。高用量の微量栄養素の投与は医師の指示に従って行わなければなりません。

欠乏症を防止するために必要な投与量 (推奨摂取量を参照してください) より遥かに大量のビタミンB6が多種多様な症状を治療する試みに使用されています。一般的に、適切に策定されたランダム化比較試験ではビタミンB6の高用量投与が(「薬理学的に」)有効である証拠は確認されていません(20)

経口避妊医薬品の副作用

事前評価では、高用量の経口避妊医薬品(避妊薬)の服用によって嘔吐および、欝症状など副作用を経験している女性は、ビタミンB6不足であると考えられていました。これらの副作用を緩和するために多くの臨床医が高用量ビタミンB6量(1日当たり100~150ミリグラム)を処方しました。

一般的に現在処方されている低用量の経口避妊薬での女性における最新のプラセボ対照試験で、最大1日当たり150ミリグラムのビタミンB6(ピリドキシン)の投与では吐き気、嘔吐、めまい、欝症状および、興奮性などの副作用を防止できる何らの利点も見出せないことが確認されています(21)

月経前症候群 (PMS)

高用量経口避妊薬の副作用を緩和するビタミンB6の使用は、月経前症候群(PMS)の治療においてのビタミンB6の使用にまで拡大しました。

PMS治療のためのビタミンB6使用における12件の二重盲検法によるプラセボ対照臨床試験による調査では、有効であるという証拠としては弱いとの結論が出ています(22)

25件の研究による最新の調査では、最大1日当たり100ミリグラムのビタミンB6サプリメント投与がPMSの治療に有効である可能性のあることを示唆しました;しかし、これらの研究の質が低く従って、結論としては極めて限定的です(23)

鬱病

「セロトニン」などの伝達物質の合成における鍵酵素がPLP依存であることから、ビタミンB6欠乏症が鬱病を引き起こす可能性のあることが指摘されています。

しかし、臨床試験では、ビタミンB6が閉経前の女性に対して治療効果があるとしても、ビタミンB6サプリメント投与が鬱病治療 (20, 24) に効果的であることを証明する説得力のある証拠が提示されていません(24)

現在のところ、ビタミンB6による鬱病治療に実質的な効果があるか否かを証明するため、適切な研究が必要です。

悪阻(つわり)

ビタミンB6は、妊娠中の吐き気と嘔吐(「つわり」)を治療するために使われています。3日間8時間毎に25ミリグラムのピリドキシンを使用 (25) あるいは、5日間8時間毎に10ミリグラムのピリドキシンを使用 (26) する2つの二重盲検法によるプラセボ対照臨床試験では、ビタミンB6がつわりの緩和に有効である可能性を示唆しました。それぞれの研究において、僅かながら明らかに妊婦の吐き気と嘔吐を緩和されることが確認されました。

妊娠初期の吐き気についてのプラセボ対照臨床試験による調査では、ビタミンB6が多少効果的であることが確認されました (27)

つわりが何らの治療を施さなくても治癒することが十分にコントロールされた臨床試験を困難にしていることは注目に値すると言えます。

手根管症候群

同一の調査者による初期研究では、ビタミンB6ステータスが低い手根管症候群を発症した患者について数ヶ月間に亘る1日当たり100~200ミリグラムのサプリメント投与が有効であることを示唆しました(28, 29) 。ビタミンサプリメントを一切摂取していない男性での研究では、PLPの血中濃度の減少が手根管症候群の発症が原因となっていることが立証されました(30)

少数の臨床試験では、ビタミンB6サプリメントの投与である種の症状軽減が認められたのに対して、二重盲検法によるプラセボ対照臨床試験ではビタミンB6が手根管症候群治療において有効である証拠を確認することができませんでした (20, 31)