人体内のビタミンB9(葉酸)補酵素の独特の機能は、核酸とアミノ酸代謝の重要で多様な反応における1炭素単位(例えば、メチル、-CH3および、メチレン基、-CH2-)のアクセプターとドナーの働きをしていると考えられます(2, 3)。
ビタミンB9(葉酸)補酵素は、多くの生体反応において使用される「メチル基供与体」の合成に必要とされるその先駆体(「チミジン」と「プリン」)からのDNA合成とアミノ酸「メチオニン」の合成を通してのDNA代謝において重要な役割を果たします。DNA中の多くの部位へのメチル基(-CH3)(「メチル化」)の付加はガンの予防において重要である可能性があります。
葉酸補酵素は、ホモシステインからのメチオニンの合成などの幾つかの重要なアミノ酸代謝に必要とされています。従って、ビタミンB9(葉酸)欠乏症は、メチオニン合成の減少とホモシステインの蓄積をもたらします;これは幾つかの他の慢性疾患のみならず、心臓病のリスクファクターでもあります。
ビタミンB9に加えて、血中ホモシステイン量はビタミンB12とビタミンB6によって調節されます(4)。ビタミンB9(葉酸)には、ビタミンB12とビタミンB6の共存欠乏症がない場合に、血中ホモシステインの基礎濃度を下げる最大の効果があることが明らかにされています。
欧州委員会などに科学的助言を行う欧州食品安全機関(EFSA)は、以下に貢献する葉酸(ビタミンB9)の食物摂取に関連する明確な健康上の利点が、確立されていることを裏付けました: