ビタミンDの毒性(「ビタミンD過剰症」)は、健康維持に必要な投与量より遥かに高い毎日の投与量が50,000 IUを超えるビタミンD(76)の過剰なサプリメント摂取時にのみ起こります。ビタミンD (25(OH)D) 血中濃度は、一貫して1リットル当たり375ナノモル以上もしくは、それより高い場合にカルシウムの異常高血中濃度(「高カルシウム血症」)を誘発し、長期間治療を怠った場合には骨損失、腎臓結石および、心臓や腎臓など臓器の石灰化に至ります。緩やかな中毒の兆候は、吐き気、倦怠感、便秘および、興奮性などです。
特定の病状は、ビタミンDに呼応して高カルシウム血症のリスクを増大させることがあります(89)。これらの疾病を伴う人々は、ビタミンD摂取増量に呼応して高カルシウム血症を発症しますので、ビタミンD摂取を増やす場合は医師に相談しなければなりません。
ビタミンDの毒性は、皮膚内のビタミンDの過剰産生を防止するメカニズムにより抑制されるので太陽光への露出が原因では観察されていません(76)。
欧州食品安全機関は、ビタミンDのための許容上限摂取量(UL)を確立しました(91):
年齢 (才) | UL (マイクログラム/日) | |
0-2才 | 25 | |
3-10才 | 25 | |
11-17才 | 50 | |
成人 | 50* |
* 成人投与のためのULは、妊婦および、授乳中の母親にも適用されます。
高カルシウム血症は危険なので、米国医学研究所は、ビタミンDのための許容上限摂取量(UL)を以下の通り確立しました(96):
年齢グループ | UL 単位マイクログラム/日 (IU/日) | |
乳児 生後0~6 ヶ月 | 25 mcg (1,000IU) | |
乳児生後 6~12 ヶ月 | 37.5 mcg (1,500 IU) | |
小児 1~3 才 | 62.5 mcg (2,500 IU) | |
小児 4~8 才 | 75 mcg (3,000 IU) | |
小児 9~13 才 | 100 mcg (4,000 IU) | |
青少年 14~18 才 | 100 mcg (4,000 IU) | |
成人19 才以上 | 100 mcg (4,000 IU) | |
妊婦/授乳中の母親 | 100 mcg (4,000 IU) |